ハンガリー(1945−46)
史上最悪のインフレと言えば、1922〜23年の間にドイツを襲ったインフレを指すことが多いでしょう。しかし、ドイツ(1922−23)インフレをはるかに上回るインフレがあります。ハンガリーの1945〜46年です。ドイツのは、兆レベルですが、兆を超える京を通り過ごして、実態は京の上の垓レベルのインフレです。1垓でゼロが20個並びます。ハンガリー(1945−46)は、真の史上最悪・最凶のインフレでしょう。
No. | 料金改正日 | 料金期間 | 国内書状(20gまで) | 画像 |
1 | 1945年1月1日 | 120日間 | 0.30 | − |
2 | 5月1日 | 62日間 | 1 | 6月5日 |
3 | 7月2日 | 76日間 | 3 | 7月11日 |
4 | 9月16日 | 46日間 | 10 | 9月17日 |
5 | 11月1日 | 15日間 | 60 | − |
6 | 16日 | 59日間 | 120 | 11月22日 |
7 | 1946年1月14日 | 18日間 | 600 | 1月14日(初日)重量便(1.5倍料金) 1月17日 |
8 | 2月1日 | 28日間 | 3,000 | 2月13日 2月28日(最終日) |
9 | 3月1日 | 15日間 | 20,000 | 3月6日(800過納) |
10 | 16日 | 10日間 | 40,000 | − |
11 | 26日 | 6日間 | 60,000 | 3月26日(初日)料金別納 3月31日(最終日)裏面で切手を封止めに使用 4月1日(誤料金?前日差出の旧料金通用?) |
12 | 4月1日 | 10日間 | 80,000 | 4月10日(最終日) |
13 | 11日 | 12日間 | 160,000 | − |
14 | 23日 | 8日間 | 500,000 | − |
15 | 5月1日 | 9日間 | 2,000,000 | 5月9日(最終日) 5月9日(最終日その2) |
16 | 10日 | 10日間 | 10,000,000 | − |
17 | 20日 | 7日間 | 40,000,000 | 5月22日・5月26日(最終日) |
18 | 27日 | 5日間 | 120,000,000 | 5月30日 |
19 | 6月1日 | 10日間 | 400,000,000 | 6月1日(初日) |
20 | 11日 | 6日間 | 4,000,000,000 | 6月13日料金別納 |
21 | 17日 | 7日間 | 20,000,000,000 | 6月18日 |
22 | 24日 | 7日間 | 400,000,000,000 | 6月24日(初日)カバーの裏面を再利用 |
23 | 7月1日 | 3日間 | 40,000,000,000,000 | − |
24 | 4日 | 4日間 | 2,000,000,000,000,000 | − |
25 | 8日 | 4日間 | 100,000,000,000,000,000 | − |
26 | 12日 | 6日間 | 20,000AP | 7月12日(初日) |
27 | 18日 | 6日間 | 100,000AP | 7月18日(初日) 7月20日重量便(1.5倍料金) 7月23日(最終日) |
28 | 24日 | 4日間 | 400,000AP | 7月27日(最終日)重量便(1.5倍料金) |
29 | 28日 | 4日間 | 400,000AP | 7月31日(最終日) |
30 | 8月1日 | − | 1fonnt | − |
表の料金単位は、ペンゴ(Pengo)。APは変動ペンゴ(Auto Pengo)。1946年8月1日に、デノミ(フォリント)を実施する。
1946年7月12日〜31日の20日間は、変動相場制になった。変動相場の詳細は不明である。が、実態は垓レベルに達していた模様である。資料に以下のように記されていた。
1946年7月12日 20,000AP(32,000,000,000,000,000,000)
1946年7月18日 100,000AP(36,000,000,000,000,000,000,000)
1946年7月24日 400,000AP(20,000,000,000,000,000,000,000,000)
1946年7月28日 400,000AP(800,000,000,000,000,000,000,000,000)
上記の通りだとすると、1946年7月28日は、8,000,000垓ペンゴ(800,000,000,000,000兆ペンゴ)というとんでもない数字である。ゼロが26個である。
※ 画像では、カバーの表裏両方を表示します。表のみの場合は、フロントカバーです。
※ 前所有者が、説明をタイプライターで打ち込んだと思われるカバーがあります。
※ 国内書状(20gまで)以外の料金に関する資料は、持っていません。現時点では、現物をみて、国内書状料金と比較して妥当かを見ながら、判断していくしかなさそうです。